試験品が紫外線による色素沈着を抑制するかどうかを評価します。
日焼け後の色素沈着は、皮膚に存在するさまざまな細胞の相互作用によって形成されることがわかっています。ヒト皮膚を用いた試験ではそれらのすべての細胞が存在するため、さまざまな作用機序による美白作用が評価可能です。
色素沈着はヒト皮膚に低エネルギー量のUVBを複数回照射することで惹起します。その過程で、実際に化粧品を塗布するように、試験品を皮膚の表面から塗布したり、経口摂取を想定して培地中に溶解したりして処理します。紫外線照射を終了したのち、一定期間培養し、色素沈着が形成されたのちに、皮膚の外観の観察、メラニン定量、あるいは組織染色してメラニン産生量を評価します。定性的な外観の色の変化のほかに、メラニンの定量データが得られます。
また、原料の処理濃度は、実際に化粧品に配合する濃度での試験が可能です。
培地中のサイトカインをELISAなどで定量することで、同時に紫外線によって生じる炎症に対する作用も評価可能です。
試験品の処理のタイミングは、試験品の作用機序によって違いますのでご相談ください。
UVB照射し72時間培養後の摘出皮膚の様子
UVB照射したときの培地中のIL-1α分泌量(mean ± SD n=3、**p<0.01)
UVB照射し72時間培養後の摘出皮膚様子と表皮中のメラニン定量結果
mean ± SD(n=2)